世のため人のため…
お客様の中には、私の身の上を知りたがる方もいらっしゃいます。
経歴、年齢、家族構成など…。
プロになって間もない頃は聞かれるままにお答えしていましたが、
それによる失敗を経験してから素性は明かさないことにしました。
これは仕事に支障をきたさない為にも、実は、大変重要なことなのです。

経験のないことは当然アドバイスできるハズがない、
あるいはするべきではない、
と考えているお客様は実に数多くいらっしゃいます。たとえば、
占い師が未婚であれば「独身のくせに(何がわかる)」と見下げ、
既婚者であれば「結婚している人にはわからない」
と反感を抱くのです。
年上のお客様には「お前に世の中の何がわかるんだ!」
と怒鳴られたこともありました。
さらに、健康な人には分からない、その年齢では分からない、
更には、女には分からない、他人には分からないというようなケースまで・・・。

時には理解に苦しむ内容も確かにあります。
ですが、"どうせこの人には分からない"
というネガティブな感情を相手に抱かせてしまったのは、 他の誰でもない私自身なのです。
自分自身がご相談者に必要以上の情報を与えてしまったこと以上に、
まず不信感を抱かせてしまったことについて、反省する必要があると思いました。

ただし、皆さんにまずご理解いただきたいのは、
占い師が導き出すアドバイスは、
本人の経験に基づくものではないということです。
もちろん、経験談を交えてお話させていただくことも、時にはあります。
ですが、それはあくまでも、より内容をご理解いただくための枝葉でしかありません。
ご相談内容の幹である運勢の予測とは、
4500年以上の年月をかけて研究を積み重ねてきた学問の法則によって導き出されたものです。
個人的な見解や、僅か百年足らずの占者の人生経験を基準にアドバイスすることなど
ありえませんのでご安心ください。



文・構成・編集 : MONDO / 取材協力 : 采慧(サキ)




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